自律神経と女性の ホルモンバランスについて
2025/07/25

私たちの意思とは関係なく、心臓の動き、呼吸、消化、体温調節などを自動でコントロールする神経システムが自律神経です。このシステムは、「アクセル」役の交感神経と「ブレーキ」役の副交感神経の二つから成り立っています。
自律神経の「アクセル」と「ブレーキ」
交感神経(活動と興奮)
ストレスや運動時に優位になり、心拍数や血圧を上げて体を「闘うか逃げるか」の活動モードに切り替えます。
副交感神経(休息と回復)
食事中や睡眠中、リラックス時に優位になり、心拍数を落ち着かせ、血圧を下げ、消化を促進して体を「休んで回復する」モードにします。
この二つの神経がバランスを取り、体内の状態を常に一定に保つ働きを恒常性(ホメオスタシス)と呼び、心身の健康には欠かせません。自律神経は、体温や血糖値、血圧など、生命活動に必要なあらゆる機能を最適な範囲で維持するために中心的な役割を担っています。
女性の体は、特に自律神経のバランスが乱れやすい傾向にあります。その最大の理由は、女性ホルモンの大きな変動です。
生理周期
毎月の生理周期では女性ホルモンの分泌量が大きく変化します。特に排卵後から生理前はプロゲステロンが増え、PMS(月経前症候群)やPMDD(月経前不快気分障害)といったイライラ、気分の落ち込み、だるさ、頭痛などの心身の不調が出やすくなります。
妊娠・出産
妊娠中はホルモンバランスが劇的に変化し、つわり、むくみ、動悸、不安感など、自律神経の乱れからくる症状を経験しがちです。出産後も、ホルモンバランスの急激な変化や育児による疲労が重なり、心身の不調につながることがあります。
更年期
40代後半から50代にかけての閉経期は、女性ホルモン(エストロゲン)の急激な減少が自律神経に大きな影響を与えます。「ホットフラッシュ(急なほてりや発汗)」、動悸、めまい、不眠、気分の落ち込みなど、いわゆる更年期症状として現れることが非常に多いです。
バランスを整えるために
日々のストレス、不規則な生活、睡眠不足、食生活の乱れも自律神経のバランスを崩す原因です。
ご自身の体や心の変化に気づき、早めにケアを始めることが大切です。
規則正しい生活、バランスの取れた食事、適度な運動、質の良い睡眠、そしてストレスを上手に管理することが、自律神経のバランスを整え、毎日を健やかに過ごすための鍵となります。